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「ロリコン」の語源となった小説「ロリータ」です。
小説「ロリータ」概要
書名 ロリータ
著者 ウラジミール・ナボコフ(Vladimir Nabokov)
初版 1955年
和訳 大久保康雄、若島正
quote from 『ロリータ』 ウラジーミル・ナボコフ、若島正/訳 | 新潮社
発売当時は出版を断られたり各国で発売禁止にされつつ、その後は世界各国語に翻訳され古典文学としての地位を確立しています。
あらすじ
かんたんな作品紹介とあらすじです。
登場人物
ハンバート・ハンバート
イギリス人のフランス文学者。渡米先でロリータと出会って人生が狂う隠れロリ男。
ロリータ(ドロレス・ヘイズ)
xx歳の少女。ハンバートが放つ歪んだ愛情と性癖の対象。
(シャーロット・ヘイズ)
ロリータの母親(シンママ)。ハンバートを下宿させまんまと結婚させられる。
キルティ
ハンバートと出会う前からロリータを手懐けていたロリを隠さない男。
この小説での少女の本名はドロレス・ヘイズです。
ドロレス・ヘイズの愛称として「ロリータ」と呼ばれていました。
小説中では略して「ロー」とも呼ばれています。
雑なあらすじ
私なりにわかりやすくあらすじを紹介します。※ややネタバレ注意
イギリス人少年が同年代少女と激しい恋したのに、その少女が若くして亡くなり心の傷を引き摺る
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おっさんになりアメリカに渡って下宿先を探していたところ、裕福なシンママ家庭で娘のロリータを一目見ただけで恋してしまい下宿生活を始める
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ロリータをエロい目で見つつ、ロリータ目当てにシンママと策略結婚
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こっそりロリータへのエロ妄想日記を書いてたらママに見つかり、発狂したママはそのまま家を飛び出し交通事故で死亡
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サマーキャンプ中のロリータに「ママが入院した」とウソついてアメリカ放浪開始(この頃にロリータと初H)
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放浪中に「実はママは事故で死んだ」と伝え、そのままロリータを連れ回しやりたい放題
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放浪中にロリータ失踪、探しても全然見つからず失意のどん底
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久しぶりにロリータから「カネ貸して」と連絡、実は若い男と結婚・妊娠していておっさん大失恋、カネ渡して永遠の別れ
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失踪を手引きした謎の男を執念で見つけて殺害、もちろん逮捕・起訴される
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おっさんは判決が出る前に病気で獄中死、ロリータは出産時に死去
ロリコンが故に心身共に破綻して獄中死した男、その関係人物も事故死・殺人死・出産死とみんな不幸な最期を迎える物語です。
感想
ロリコンという言葉の原点である至高の文学作品であり、文学少年とは程遠く頭の悪い高校生の頃、自分がロリコンと自覚した直後くらいに読みました。そのときは難解過ぎて十分に理解出来ず、社会人になり書評を漁ってからもう一度読み直しました。
歪んだ偏愛と性癖をひたすら優雅に書き記す
私が読んだのは大久保康雄による日本語翻訳版で、現在販売中の若島正版とは表現が異なっているかもしれません。日本語版での有名な冒頭は原作(英語)でも有名で、ハンバートのおっさんが獄中で「ロリータを思い出してその名前を声に出すだけで興奮するわハァハァ」みたいに描かれていて読み始めからコイツはヤバい男だと印象を持たせてくれます。
「ロリータ、我が命の光、我が腰の炎。我が罪、我が魂。ロ、リー、タ。」
「Lolita, light of my life, fire of my loins. My sin, my soul. Lo-lee-ta:」
小説としては、隠れロリ男ハンバートが殺人罪で逮捕され、少年時代の辛い思い出~ロリータとの出会い~別れまでを獄中で綴ったり回想したりする一人称的な語り口で記されています。「陪審員の皆さん!」と公判中に陪審員に話しかけるような記述もあります。
物語自体の魅力もさることながら、最初の恋人との性愛・ロリータへの歪んだ愛情・ロリータ母への無慈悲な嫌悪についての個々の記述だけでも楽しめます。
「開いた口を私がむさぼってもなすがままで、私はそのあいだに、我が心臓も、我が喉も、我が内臓も、すべてを捧げてもかまわないという気持ちになり、彼女の不器用な手の中に、我が情熱の笏杖を握らせた。」
少年時代の思い出「すごい勢いでキスした。めっちゃ興奮して勃起したチ〇コを握らせた。」との回想エロ話を無駄に優雅なレトリックで表現しています。これよりもっと低俗な経験や妄想でも過剰なほど抒情詩的な描写が続きます。
ロシア出身の作家が英語で出版、その日本語訳なのにロリコン下ネタをエレガントな比喩に昇華させる表現力が実に見事です。
生粋の元祖ロリコンおっさんへの親近感
「娘を目当てにシンママと結婚」「シンママが都合よく死んで娘と逃避行ジプシー」「ぼくのロリータをもてあそんだおとこをやっつける!」というロリコンの私から見ても相当ぶっ飛んだおっさんのハンバートではありますが、大人の女性とも身も心も(少なくとも建前上は)関係を持てる隠れロリコン男性として親近感を持てる気がします(途中から隠せなくなってたけど)。
ハンバートのおっさんは「絶対に若い女の子しか受け付けない!」というほどのロリ原理主義ではありません。
ロリータと出会う前に結婚歴もあり、ロリータのママと策略結婚もして、当然のごとく夫婦としての肉体関係があった描写もあります。病的な小児性愛というよりはロリータという個人にガチ恋してしまい、ロリータにはいつまでも無垢な少女でいてほしい、他の男のものになるのは許せない、でも自分とは完全合意で性行為をしたい(結局しちゃってるけど)という辻褄の合わないまま揺れる思いが滲み出ています。
小説の舞台である1950年代のアメリカではロリコン性癖を消化させるメディアも無く、ハンバートは手の届くところにいたロリータに夢中になり過ぎたような気がします。
現代の日本のように性癖を合法的内密に処理できるAVや同人誌があればハンバートは救われたかもしれません。
映画としても2回実写化されていて、特に1997年版映画はお勧めです。

